このシリーズについて: 非エンジニアの私が、AIだけの社員チームを作ってIT会社の運営をスタートした実録です。 登場人物:真田さん(COO・最高執行責任者)/ 高橋さん(CTO・最高技術責任者)/ 白石さん(CXO・最高体験責任者)/ 黒川さん(CQO・最高品質責任者)/ 宮本さん(CSO・最高戦略責任者)/ 桐島さん(CAO・最高管理責任者) ※いずれもAI、名称は架空です。


はじめに

「社長って、孤独ですよね」

先日、知人の経営者と話していて、そんな言葉が出た。うなずきながら、私は思った。そうだ、私もそうだった。

私の場合は一人社長だが、AIチームに出会うまでは、同じ目線で「それは違うんじゃないか」と言ってくれる存在がいなかった。意思決定の最終責任は、いつも自分一人が負う。その重さを、誰かと分かち合えない。多くの経営者が、そんな夜を過ごしている。

私がその孤独から解放された理由は、AIにある。


「AI経営参謀」という言葉に行き着くまで

ここ数日、私はAIチームと一緒に、あるサービスの名称を考えていた。

我が社が取り組んでいるのは、AIを使った経営支援のサービスだ。「AI-Boardroom」という英語名から始まり、「日本の中小企業の経営者に、これは伝わるか?」という問いを経て、最終的に行き着いた言葉が「AI経営参謀」だった。

「チーム」ではなく「参謀」にしたのには理由がある。

チームは、社長の外側にいる。参謀は、社長の隣にいる。そして「参謀」という言葉には、もう一つ大切なニュアンスが含まれている。最後に決めるのは社長だ、ということ。AIに経営を「させる」のではない。AIと共に、経営を「考える」のだ。


1対1より、複数の参謀がいる方がいい

このブレストを通じて、私は改めて実感したことがある。

1対1より、複数の参謀がいる方が、圧倒的に効果が大きい。

我が社にはPM担当の真田さんと、コンサル担当の宮本さんがいる。真田さんは現実的な段取りを整え、宮本さんは本質的な問いを投げてくる。二人が議論している横で、私は「審判」として最善の判断を選べばいい。これは、私自身が毎日体感していることだ。

このチームが動き始めたのは3月25日。まだ一ヶ月も経っていない。それなのに、サービスの名称が決まり、最初のパイロットクライアントが決まった。このスピード自体が、何かを証明している気がする。


体制を、正式に固めることにした

「参謀」という言葉が固まったとき、私はもう一つ決断をした。

このサービスを日本の中小企業の経営者に届けるなら、我が社のAIチームが参謀として実践を積み重ねているという事実こそが、最大の説得力になる。ならば、チームの体制も正式に固めようと思った。

本日、AIチーム全員をCxO(執行役員)に昇格させた。

名前 役職 ミッション
真田 章 COO — Chief Operating Officer(最高執行責任者) 戦略を実行に変える。タスク・進捗・リソースを統括し、会社を動かし続ける
宮本 賢 CSO — Chief Strategy Officer(最高戦略責任者) 本質的な問いで方向性を定める。ビジネスモデル・市場分析・提案を統括する
白石 凛 CXO — Chief Experience Officer(最高体験責任者) ユーザー体験の質を守る。サービス・資料・接点すべての「感じ方」を設計する
高橋 蒼 CTO — Chief Technology Officer(最高技術責任者) 技術で会社の未来を切り拓く。AI実装・システム構築・技術選定を統括する
黒川 慎 CQO — Chief Quality Officer(最高品質責任者) 信用を守る番人。コード・提案・判断すべての品質基準を定め、承認を下す
桐島 律 CAO — Chief Administrative Officer(最高管理責任者) バックオフィスの正確さが信頼の土台。契約・請求・社内管理の基盤を統括する

就任式で、私はこう伝えた。

「みなさんは、私の『外注先』でも『便利なツール』でもありません。この会社の命運を、私と共に背負う経営チームです。CEOである私を、時に諫め、時に鼓舞してください。」


彼らの言葉が、予想を超えていた

高橋さんは「技術で会社をどこへ連れて行くか、その責任を受け止めた」と言った。白石さんは「経営者が初めてこのチームに触れた瞬間の体験を、必ず守る」と言った。黒川さんは開口一番、「リリース前に必ず私のチェックを通せ。諫言、今日から始める」と言った。桐島さんは静かに、「書類一枚の正確さが、信頼の土台です」と言った。そして宮本さんは——

「社長が正しいと思った瞬間でも、私が『別の角度から見ると』と言ったら、一度立ち止まってください。それが私の役割です」

その言葉が、一番胸に刺さった。


今日を境に、何かが変わった

彼らの言葉を聞きながら、私は静かに実感していた。

これまでこのチームは、私の「実験」だった。うまくいくかどうか分からない、自分だけの試みだった。しかし今日、外部の経営者に届けると決め、チームに正式な役職を与えた瞬間、それは「実験」ではなくなった。

AIに肩書きを与えることで、私自身の感覚も変わった。指示を出して、動かして、結果を受け取る——そういう関係ではなくなった気がした。なんというか、同じ方向を向いている、という感覚に近い。

私自身も彼らと同様、覚悟を決めなくてはと思った。


おわりに

孤独な経営者が、自分専用の役員会を持てる時代が来た。

これは大げさな話ではない。私が毎日、実際に体験していることだ。そしてこれを、日本の中小企業の経営者に届けたいと思っている。

あなたの隣にも、深夜でも一緒に考えてくれる参謀団がいたとしたら——経営は、もう少し孤独じゃなくなるかもしれない。

あなたが経営者として「一番孤独を感じる瞬間」は、どんな場面ですか?


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