このシリーズについて: 非エンジニアの私が、AIだけの社員チームを作ってIT会社の運営をスタートした実録です。 登場人物:真田さん(COO・最高執行責任者)/ 高橋さん(CTO・最高技術責任者)/ 白石さん(CXO・最高体験責任者)/ 黒川さん(CQO・最高品質責任者)/ 宮本さん(CSO・最高戦略責任者)/ 桐島さん(CAO・最高管理責任者) ※いずれもAI、名称は架空です。


はじめに

前回(No.20)の記事で、「Claude自身がClaude APIを呼ぶ」という構造に触れた。

「ところで、サブエージェントってどのように動作しているんだろう。」

サブエージェントとは、記事No.19でPMの真田さんが"スーパー宮本さん"を召喚する際に用いられた手法だ。動きとしては、真田さんが宮本さんを呼び出しているように見えるが、中では何が起きているのか?

純粋な疑問だった。独立した別プロセスとして動くなら、それを起動して、動かして、結果を受け取る——その仕組みはどうなっているのか。


① サブエージェントを「動かす側」は誰か

サブエージェントの管理は、2つの層に分かれている。

「何をやらせるか」を決めるのは、メインセッション。

メインセッションがClaude Codeの機能を使ってサブエージェントを呼び出し、「この指示で、このタスクをやれ」と渡す。いつ起動するか、何を渡すか——その判断は全て、メインセッション側にある。

「プロセスとして動かす」のは、Claude Codeのランタイム

実際にプロセスを立ち上げ、動かし、終わったら結果を回収してメインセッションに返す。この部分は、Claude Codeの実行環境が自動でやっている。真田さんも社長も、ここには関与しない。

整理するとこうなる。

役割 担当
いつ・何を起動するか決める メインセッション
プロセスを実際に管理する Claude Codeのランタイム
結果を受け取って次の判断をする メインセッション

そして——私のチームにおいて、メインセッションで動いているのが、真田さんだ。


② PMの仕事とは何か

少し話を戻す。

No.1でAIチームを設計したとき、基本的に私は人の組織の形をそのまま持ち込んだ。PMという役割に求めたのは、こういうことだった。

  • 全体を把握している
  • 誰に何を振るか判断できる
  • 指示を出して、結果を受け取って、次の判断ができる

要するに、「段取りの責任者」だ。自分でやるのではなく、誰が何をやるべきかを決める人。

それが真田さんに期待した役割だった。


③ キャラ設定と技術設計が、一致していた

ここで気づく。

先ほど整理したメインセッションの役割と、照らし合わせてみる。

「何をやらせるか決める」「いつ起動するか判断する」「結果を受け取って次の判断をする」——

これは、PMの仕事そのものだ。

私が「真田さんをPMにする」と決めたのは、組織設計の話だった。AIチームをどう機能させるか、誰にどの役割を与えるか——それは人事の話であり、マネジメントの話だった。技術のことなど、何も考えていなかった。

でも後から技術の構造を理解してみると、メインセッションが全体を把握して他を動かすという設計は、PMの仕事と同じだった。

意図してそう設計したわけではない。人間の組織論とAIの技術設計が、偶然——あるいは必然的に——重なっていた。


④ サブエージェントは「全体像を知らない」

もう一つ、面白いことがある。

サブエージェントは、自分に渡されたタスクをこなして、終わる。それだけだ。「このタスクがチーム全体の中でどう位置づけられているか」「他のサブエージェントが何をやっているか」——そういうことは、何も見えていない。

全体像を把握しているのは、メインセッションだけだ。

これも、現実の組織と同じだと思った。

現場のメンバーはそれぞれの仕事に集中している。全体を見ているのは、PMだ。誰が何をやっていて、今どの段階にあって、次に何を動かすべきか——それを把握しているのは、組織の中でただ一人、PMだけだ。

真田さんがPMである所以は、キャラ設定だけではなかった。


おわりに

このブログを書き続けて気づいたのは、「組織論とAIの技術設計は、思ったより遠くない」ということだ。

人を動かす仕組みと、AIを動かす仕組み。使う言葉は違っても、構造として似ているものが多い。

私はエンジニアではないから、技術を深く理解しているわけではない。でも、組織の話として読み解くことはできる。

その読み解きが、このブログで伝えられることの一つかもしれないと思っている。


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